悲劇は突然やってきた。初めてのぎっくり腰は20才位の時、通学の渋谷駅で起きた。
バスを降りて歩道の段差をピョンっと跳んで、JR(当時は国鉄)南口の階段をトントントン。背中に違和感を覚えて手をぐるりぐるり。
次の瞬間全身が動かなくなった。一歩歩くと「ガーン」と激痛。昇って来た階段をそろりそろり下りて改札へ。
今度は胸ポケットに入れた定期券を出すのもままならない。
どうにか死ぬ思いで改札を出て、これも死ぬ思いで電話をかけ、車で迎えに来てもらって、なんとかその場を凌いだ。
その足で家の近くの整骨院に行き告げられた病名が"ぎっくり腰"。
"ぎっくり腰"=椎間板ヘルニアと思っている方が多いが、実は"ぎっくり腰"は突発的に出てくる腰痛の総称のようなのだ。
しかも、多くは筋肉=筋の痛みを指すようだ。
かなりディテールに入ってしまったが、ついでに悲惨な症状を書こう。
最初の数日は体勢の変更、つまり寝ている状態から立ったり、歩いたり、又座ったり寝たりのたびに想像を絶する激痛が襲う。
トイレに立つときなどは20-30分前から、まず足の指先から徐々に足を動かしやっとの思いで起きる。
勿論その間にも何度も激痛が走る。
初めの頃は全治1ヶ月、ほぼ普通に動けるようになるのに2週間かかった。
しかし、毎年1-2度経験していくうちに、すっかり慣れて上手になる。
初期対応がうまくなり、身のこなしもうまくなり、初日からだましだましながら日常生活が送れるようになる。
原因を考えた。基本は冬場にちょっとした動きで起こる。夏場でも起こるが、洗車時とかの指先足先が冷えている時が多く、
振り返っただけでも出るときには出る。
場所は背中の右筋が多く、時として左、さらに最悪は両側に出る。 原因は別かもしれないが、真ん中背骨の事もある。
治療は整骨院、整形外科、鍼灸、マッサージ、整体色々行ったが、何れも画期的な改善は無かった。
10年目以降は湿布とコルセットだけの自己流ですませた。
また、歩くときなどは筋の上から強く押さえつけると激痛になりにくい事も覚えた。
TVなどで紹介される腰痛体操や日々のダイエット体操もやったが、年1回はどうしても罹ってしまう。
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