前項で地震の波長よりはるかに短い固有週期を使うのが剛設計と説明しました。
耐震計算で、ごまかしたのはストレスの最大値が許容以内であるように改ざんしたと聞いています。
「これでは震度5強でも倒壊する」みたいなことを言う人が大勢いましたが、そうではありません。
『共振』さえしなければなかなか倒壊になど至りません。剛構造神話を復活させるつもりはありませんが、
設計の性質上、計算が一割違ってもストレスが一割り増すだけです。
そして出てきた計算値の評価は許容応力度の数値と比較されます。それは破断値の概ね1/3、せん断やモーメントはさらにルート3分の1。
だから、姉歯さんだって壊れると思ってごまかしたんじゃないんです。(勿論、大犯罪ですから肯定はしませんが)
柔構造の計算ミスはたちが悪いです。質量が大きくても小さくても、計算と1割違っても結果は100倍にだってなる可能性があります
最近では補強したり、ダンパー入れたり、水タンクを置いたりしてるようですが、
剛構造なら役立ちますが、柔構造では時として逆効果になります。
理由は上で説明した通り、がっちり作って地震をしのぐのが剛構造、
共振域だけを避けるのが柔構造ですから、補強が命取りになるかも知れないのです。
耐震偽装のビルは倒れないが、「超高層は(場合によって補強したものこそ)折れる」と断言しておこう。
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