落ち葉の如く散らかしていたものを草むしりと共に片付ける事にした。枯れ葉を入れる厚手のビニール袋数枚と手ばさみ、竹ぼうき
更に熱中症対策で室内にお茶の500mlボトル。さらには作業完了後すぐにサッパリできる様にお風呂場に着替えを用意。
上下作業服に安全靴迄、準備万端完全装備で臨んだ。
小一時間もするとビニール袋3個が満杯になり概ね片付いたので、道路と同じレベルの階下迄リフトで下ろそうとリフトに乗り込んだ。
このリフトだが、十数年前に亡くなった両親が車いすで出入りする為に設置した、ホイストに籠を吊るしただけの簡易エレベーターだ。
長らく使っていなかったが、二週間前の刈込の時に試運転するとステップ面と籠が接触してバリバリ!と音を立てて鋼材(アングル)が剥がれ落ちた。
その上に縞板が貼ってあったのだが、その縞板も腐食でボロボロ。「大丈夫かな?」と気になっていたのも今回の事故の誘因の一つだ。
今回手を挟み込んだのは乗り場の床面と籠の天井。乗車の時点ではどちらも視界の中心にはなく足元と頭上にしかない。下降スイッチを押して暫くして、ステップのそのさびた縞板の
断面が見えてきた。乗っている籠が動いているのだから、よせば良いのにその断面に手を添えてしまった。ほどなく天井が指に迫ってきた。
次の瞬間「・・・」
そこで非常停止を押せば良かったのだが、ついつい手を抜く事に注意が行き、やっとの思いで引き抜いた。
結果オーライだが抜けなかった事を考えるとぞっとする。「先ず停止」が原則だ。
奇跡的に抜けたのは腐食していた事が幸いしたのかもしれない。
爪がはがれる痛さも忘れて抜けた手を見た。
取りあえず指は付いているが先端は腐った巨峰のような状態。その下からじゃぁじゃあ血が流れ出た。
間もなく階下に着いて停止したので、躊躇することなく119番通報する事にした。
幸いスマホは手元に持っていた
処が普段左手で操作しているその手は出血でスマホを支える事も出来ない。右手だけでは通話アプリを起動するのもままならず、
3分くらい掛ってやっとの思いで通報した。
近場の消防は出払っていて、少し遠いところから向かっていると聞いた。到着まで25分、出発まで25分。
少し遠い所の手の専門外科に行くことになり高速経由で30分。
診断は親指と小指がほぼ無傷だったが真ん中の3本の指が解放骨折、一本は粉砕骨折。手術となった。
傷口に鉄さびがちりばめられた上に粉砕骨折。予定を大幅に超える2時間半の手術は大成功!
一部機能を失う可能性があるが、見た目は幸運にもほぼ元通りになりそうだ。
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